R7.2.12長野県神道青年会創立七十五周年記念講演会

教化委員 坂井美春
令和七年二月十二日、松本市の四柱神社にて、長野県神道青年会創立七十五周年記念講演会が開催された。講師は、公益財団法人モラロジー研究所研究センター主任研究員、麗澤大学経営学部准教授の冬月律先生、並びに、皇室専門家・皇室コメンテーター、公益財団法人日本文化興隆財団理事の高清水有子先生である。
第一講は、冬月先生による「信仰継承の未来~次世代に伝える日本の精神文化~」と題した講演である。先生の掲げる「現代日本人にとって伝統宗教、神社を信仰することの意義は何か」という研究課題について、少子高齢化による人口減少がもたらす諸問題を概観し、神社を中心とする信仰生活の事例を取り上げながら、日本人と伝統宗教の関わりや、今後の信仰継承の意味についての考察が示された。特に、日本の超高齢化社会については、人口ピラミッドのグラフを用いて説明され、近い将来の日本の人口減少を可視化できた。
日本の人口について、歴史的なスパンで推移を見てみると、近代の人口爆発が目覚ましい。明治維新を契機に急増し、第二次世界大戦以降も減少する事はなかったが、二十一世紀に入り急激に減少している。人口の増減は、経済や産業の発展、医学の進歩による事はもちろん、地球環境の変化による影響も大いにある。
人口減少という社会の大きな潮流の中で、少子高齢化の諸問題は言われて久しいが、神社界でも深刻な対応が求められている。二〇一五年には、国際社会の共通目標としてSDGsが採択され、あくなき経済成長から方向転換する動きが見られるようになった。
老若男女、都会田舎を問わず、国民の誰もが心の豊かさを持ち、より洗練されたシンプルな社会を望む。その中で、日本人の精神的な拠り所である神社と、地域住民の繋がりを深める為に、我々青年神職が果たす役割は大きいと考える。日々奉仕する中で、住民から地元の歴史を聞いたり、祭りに子供が参加できるような企画をしたり、青年神職だからこそ、老若男女の橋渡し役になれるのではないかと感じる。世代を超えた繋がりを深めていく事で、地域に対する誇りが芽生え、地域全体や個々人の希望になる。今後も、青年会の活動を活かし、積極的に地域と関わっていきたいと思う。
第二講は、高清水先生による講演「ゆるがせにしてはならない皇統のお話」である。高清水先生は、情報番組で皇室取材を担当されており、秋篠宮皇嗣同妃両殿下からの信頼も厚く、実際の対談内容も交えながらご講演を頂いた。
先生は、定義が曖昧な「女性宮家」という言葉が、メディアで頻繁に使用されている事や、現在の皇宮警察本部の中に、秋篠宮家専属の護衛課が無い事を大変危惧されていた。又、SNS上のバッシングに、皇族の方々が心を痛められていると述べられた。
日本は、世界に類を見ない万世一系の国である。「天壌無窮の神勅」に示される通り、皇位の継承はゆるぎないものである。昭和百年、戦後八十年を迎える本年、一神職として、より多くの人に正しい日本の歴史や、「天壌無窮の神勅」を伝えられるように努めていきたいと思う。